河村浩 氏 イッツ・コミュニケーションズ(株)


開局後のお客様の反応はいかがでしたか。

河村:爆発的ではなかったですね(笑)。ただ、このエリアは著名人が多く住んでいるので、発信してくれる方がいて後押しになりました。某大物司会者は開局後すぐに加入されて、インタビューにも応じてくださいました。某プロ野球チームの監督は、「ケーブルテレビって何?」とおっしゃるので、営業マンが「大リーグが見られます」と応えたら、すぐに加入してくれたそうです。この頃は、大リーグもテープで流していました。
それでも、加入は思うようには増えませんでしたね。当初は多チャンネル加入を10年で10万世帯目指していましたが、10万世帯を達成したのは2003年度、結局16年かかりました。

これまでに、加入増に大きく影響したのは何ですか。

河村:開局から約10年後、1998年に開始したインターネットサービスですね。それと、2000年のBSデジタル放送、03年の地上デジタル放送です。これらが連続して起こり、技術的にもマーケティング的にもイノベーションが巻き起こりました。その間、並行して設備投資も行いました。伝送路は、はじめ450MHzでしたが、03年には770MHzのHFC工事を完了、そして今年3月末には全エリアのFTTH化を完了しました。相当な設備投資額でしたが、3セクはやらないというのが東急電鉄 五島昇社長(当時)のイッツコム設立時からの方針ですので、すべて自前でやってきました。