(株)朋栄

4K/HDキャラクタージェネレーター「EzV-410」
選挙・スポーツ、L字速報や、アバター出演にも活用可能

(株)朋栄(東京・渋谷区、清原克明社長)の「EzV」シリーズは、20年以上の開発実績を有するキャラクタージェネレーター。シリーズ累計販売台数は1,100台を突破し、全国のケーブルテレビ局で採用されている。ここでは、その最新機種となる「EzV-410」を紹介する。

森田貴博氏
森田貴博氏
(株)朋栄 国内営業本部 課長 第1営業部 第5グループ グループ長
発売以来20年以上の人気シリーズ1RU筐体でさまざまなシーンに対応可能

「EzV-200HS」の発売以来20年以上、ユーザーからのニーズに向き合い、多様化する運用スタイルに合わせて進化し続けてきたEzVシリーズ。使用される業界も放送局やプロダクション、ポストプロダクションといった放送業界だけに留まらず、競技場や球場でのビジョン、近年では企業のネット配信用途など、多様な場面で使用されている。放送以外で広がっている理由は、EzVシリーズが高品質のテロップを簡単に提供でき、かつ比較的導入しやすい価格設定の商品であるからだと思われる。つまり、コスパの良いキャラクタージェネレーターといえる。
最新機種「EzV-410」は、シリーズとしてのノウハウを全て搭載した製品で、従来機種同様の使用感を継続しつつ、テロップづくりから送出までが行えるオールインワンの製品。大きな変更点は、専用ハードウェアになったことだ。これまでのPCベースではなく、コンパクトな1RUの筐体を採用。重さも6㎏と軽量化されている。また、振動にも強い設計となっており、コンパクトで可搬性に優れた製品を実現している。「中継車やラックマウントでの運用、簡易スタジオやイベントなど、さまざまなシーンで活用いただけます」と、(株)朋栄国内営業本部 課長 第1営業部 第5グループ グループ長の森田貴博氏は語る。なお、本体が専用筐体となったため、テロップづくりや操作は、ノートPCを使って行う。
送出は、標準構成でHD2系統、または4K1系統(PGM:V/K、PREV:V)のテロップを送出できる。HDモードでは、2系統のテロップを送出用に同時利用、あるいは送出に1系統を使用して残りの1系統をテロップ入力確認用に利用することができる。また、入力をしながらの送出も可能なため、テロップを送出中でもテロップの修正や新規作成が必要になった時点で即対応できる。「ひとつの番組内に対して、2つのテロップをそれぞれ送出し、番組演出することもできます」(森田氏)。
4Kの場合も、作画から送出までトータルでHD時と全く同じ操作性で運用可能。もちろん12G-SDIに対応している。今後のコミュニティチャンネルの4K化にも十分な性能を有している。

さまざまな用途で対応可能L字による緊急速報&Twitter連携も

「EzV-410」は、テロップの表現も多様で利便性も優れている。1920×1080ピクセル以上の画面解像度に対応し、テロップの切り替え効果やテロップ内効果として3D機能を設定することができる。また、円グラフや棒グラフなど、さまざまなグラフをパラメーターの入力から自動生成できるという便利な機能もある。なお、テロップデータは、標準搭載されている統合ソフトウエア「TelopStation」にて管理される。
送出ソフトも利便性に長けている。UI画面は、テロップを格納しておくプールフォルダとテロップを送出する順番に並べておく番組リストの2面構成が基本。なお、プールフォルダの表示サイズは自由に変更できるほか、プールフォルダと番組リストのレイアウトもお好みで設定できる。
送出は「マニュアルモード」「オートモード」「ダイレクトモード」の3つを用意。マニュアルモードを選択すれば、テロップ変更時にチェンジボタンを押すごとに新たなテロップが送出され、予め時間を設定しておけばオート送出が行える。また、タイミングをみてマウスをクリックして送出する「ダイレクトモード」も便利な機能だ。「EzV-410」の良さは、多用途対応のプラットフォームであること。オプションサービスとなるが、通常のテロップ送出のほかにも、選挙やスポーツ(スコアボード、選手名など多様な表現が可能)、気象情報のL字送出やTwitter連動送出なども行える。また、ノンリニア編集ソフトウエア「EDIUS Pro」「Premiere Pro」「Media Composer」と連携してのテロップ作成を強化している。文字のエッジ処理や1文字単位でのサイズ変更、装飾処理などのテロップ作成に特化した機能で、高品質なテロップを簡単に素早く作成できる。番組単位で作成したテロップを、各ノンリニア編集ソフトにエクスポートすることで、番組編集効率の飛躍的な向上が図れるという。
「台風や集中豪雨、地震などの情報を外部から取得し、その中から必要なものだけをノートPC上で選択し、L字画面で送出することができます。ケーブルテレビ局では、緊急速報用のL字画面用として『EzV』シリーズを活用いただいている事例もあります。Twitter連動もハッシュタグで絞り込み、その中から抽出して放送に出すことができるので、安心してTwitterの意見などを番組作りに取り込むことができます」と森田氏は語る。選挙特番や高校野球をはじめとした地元のスポーツ中継は、ケーブルテレビのキラーコンテンツ。また、地域密着メディアであるケーブルテレビにとって、L字による緊急速報画面は必須であり、番組上でも視聴者とのコミュニケーションが図れるTwitter連動は魅力的なソリューションとなる。

1RU筐体となった「EzV-410」
1RU筐体となった「EzV-410」
Unity×「EzV-410」で簡易バーチャルシステム構築

もうひとつ紹介したい機能が安価にバーチャルシステムを構築できる点だ。
作画装置&CG生成を有する「Unity送出ソフト」と、キャリブレーション機能の「ifCalib2」(カメラのトラッキングデータを受信し、キャリブレーションを行なった後、CGシステムにトラッキングデータを送出)、それにW e bカメラ&民生用トラッカーを使えば、「EzV-410」で安価に、アバター出演によるバーチャルシステムを構築することも可能だ。
「Unity送出ソフト」は、世界で最も利用されているゲームエンジンUnityを使用。「EzV-410」と連携させることで簡易バーチャルシステムが完成し、Webカメラと民生用トラッカーでアバターも作り、バーチャル上に出演させることもできる。これにより、テロップだけに留まらない、新たなエンタメ色を加えた魅力ある情報発信が可能となる。
「朋栄のハイエンドモデルのキャラクタージェネレーター『VWS』シリーズと似た作りとなっており、信頼性に優れた製品です。また、さまざまなソフトウエアが載り、拡張性もあります。それでありながら購入しやすい価格帯を実現しています」と森田氏は語る。
テロップだけでなく、L字やTwitter連携、そしてバーチャルとさまざまな映像表現&コミュニケーションが実現できる「EzV-410」は、ケーブルテレビ局にマッチしたソリューションと言えるだろう。

入力テロップ画面。使いやすくテロップの表現も多様
入力テロップ画面。使いやすくテロップの表現も多様
操作画面はレイアウト変更が可能
操作画面はレイアウト変更が可能
野球中継も対応
野球中継も対応
L字による緊急速報も可能
L字による緊急速報も可能

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