(株)朋栄

ライブ中継ソリューション Dejero「LivePlus for Windows」発売

(株)朋栄(東京・渋谷区、清原克明社長)は、Dejeroのライブ中継ソフトウェア「LivePlus for Windows」を2021年3月から発売を開始した。ここでは「LivePlus for Windows」をはじめとしたDejeroのライブ中継ソリューション、そしてリモートプロダクションへの活用法を紹介する。

回線束ねて低遅延を実現

Dejeroは、モバイル回線中継システムを開発・販売するカナダに本社を置く企業。Dejeroのモバイル中継システムは北米においてトップシェアを誇っている。朋栄は、2017年から日本におけるDejero社総代理店として、日本市場で提案。放送局や制作会社等での採用が進んでいる。
Dejeroが世界トップシェアを誇る理由は、高い技術力にある。携帯回線、Wi-Fi、衛星回線等を束ねて送信する低遅延ライブビデオ送信技術「スマートブレンディングテクノロジー」をはじめ、独自技術のエンコーディング技術、そしてソフトウェアとハードウェアの良さをブレンドしたテクノロジーにより、どこからでも高画質で低遅延のライブ中継を実現する。

外部カメラと接続可能

ライブ中継ソリューションのリーディングカンパニーDejeroは、放送用システムカメラと接続し、無線によるライブ中継を実現する「Dejero EnGo」だけでなく、スマートフォン等を活用したより簡易でアクティブなライブ中継ソリューションも提案。それがモバイルアプリ「LivePlus」シリーズ。これまでにmacOS用のNewsBook、iOS用/Android用のアプリをリリースしている。今回、新機能を追加し、Windows用「LivePlus」がリリースされた。
「LivePlus for Windows」は、macOS、iOS/Android用と同様、有線/無線を問わずブロードバンド接続を使用し、放送局に設置してあるレシーバー「Dejero WayPoint」に映像を伝送するオールインワンのソリューション。遠隔地の現場から最大20Mbps、低遅延0.8秒で高画質の生中継を実現する。
今回リリースされたWindows用では、中継現場のWindowsのノートPCやタブレットの内蔵カメラでの映像伝送だけでなく、USB接続可能なWebカメラで撮影した映像をレシーバー「Dejero WayPoint」に伝送することができる。USB接続に対応しているため、USBアダプター経由により、SDI/HDMI接続カメラの伝送も可能だ。
また、「LivePlus for Windows」では、新たに放送局に設置されたリターンサーバー「Dejero CuePoint」からの超低遅延の返し映像やプロンプター映像の2系統を、PCやタブレット画面で視聴できる機能も追加された。これによりニュース現場やコロナ禍の影響等により近年急増しているリモート出演時の中継先などで、オーバーレイとグラフィックスを考慮したレポートを画面上で確認しつつ中継が行える。スタジオとのコミュニケーションや連携が良好になり、円滑なライブ中継が行えるようになる。
「LivePlus for Windows」のユーザーインターフェイスは、カスタマイズが可能。画面上や外部モニターに、カメラプレビューと返し映像、またはプロンプター映像の配置や移動が行える。また、サイズ変更しながらオリジナルのディスプレイレイアウトを簡単に作成できる。
放送局側に設置する「WayPoint」レシーバーは、Dejero トランスミッターから複数のIP回線を通じて転送されたビデオを再構築し、H.265/HEVCまたはH.264/AVCコーデックをデコードして出力。現在、最大4系統のストリームをデコードし、SDI出力またはMPEG-TS over IP出力する「WayPoint 104」、最大4系統のストリームをデコードし、SMPTE ST 2110出力する「WayPoint 204」、そして1系統のストリームをデコードし、SDI出力またはMPEG-TS overIP出力する「WayPoint 50」がある。また、送受信が可能なトランシーバー型で主に局間用として使用されている「FlexPoint 111」は、4KUHD/60pまで対応しており、最大60M/bpsでの送信及び受信が可能である。ちなみに現在主に利用されている機種が「WayPoint 104」で、「WayPoint 50」は中継車等で利用されている。SMPTE ST2110に対応する「WayPoint 204」もすでにリリースされており、北米では導入も進んでいるという。

Dejero「LivePlus for Windows」
Dejero「LivePlus for Windows」
Dejero「LivePlus for Windows」画面イメージ
Dejero「LivePlus for Windows」画面イメージ
リモートプロダクションが可能

使用する中継回線は、LTEや5Gはもちろん、Dejeroのスマートブレンディングテクノロジーにより、イーサネット接続とWi-Fi接続をブレンドすることができる。なお、Wi-Fi接続には、Wi-Fiホットスポット機器へ直接接続したり、Wi-Fiアクセスポイント機能を持つスマートフォンに接続して携帯回線ネットワーク接続も可能だ。また、メッシュWi-Fi網を構築しての中継も行える。万が一、Wi-Fiの通信状況が不安定になった場合も自動でLTE回線へシフトする。
Dejeroのライブ中継システムはクラウド上でコントロールができる。つまり、現場にカメラを設置しておけば、あとはスタジオサブからのスイッチングでリモートプロダクションがすぐ行えるようになる。
「現場にカメラを設置さえすれば、あとはスタジオサブから中継をスタートすることができます。また、スマートフォンのGPSを活用すれば、撮影映像の場所等も地図上で確認することもできます。放送用システムカメラと『DejeroEnGo』による映像をメインに、スマートフォンやノートPCからの映像をサブ的に使うことも可能です。ジンバルを活用したスマートフォンでの映像はこれまでにない画を映し出すので、新たな映像表現、臨場感のある中継が行えると思います。スマートフォンやノートPCなどであれば、突発的な出来事に対しても即撮影可能ですし、即インタビューなども簡単に行えます」と(株)朋栄 システムサービスカンパニー 課長の構 孝之氏は語る。
「LivePlus for Windows」は、年額 37万円(税別)のサブスクリプションモデル。1ライセンス(WayPoint1入力)ごとの契約となり、アプリケーションをインストールするデバイスの台数に制限がない。同時接続できる回線の上限数がWayPointの回線数分となるため、予め複数のWindows PCにアプリケーションをインストールしておき、突発的な出来事や現場の状況に応じて、必要回線数分のPCを選択して利用できるコストパフォーマンスに優れたソリューションになっている。
スポーツ中継をはじめとするライブ番組制作において、海外を中心にリモートプロダクションが拡がりをみせている。特に、Withコロナ&Afterコロナ、そして本格的な5G時代の到来を見据え、そのニーズがさらに高まっている。通信回線をブレンディングし、かつスマートフォン等の簡易でアクティブなツールを用いて実現するDejeroのライブ中継&リモートプロダクション製品は、ライブ中継&リモートプロダクションの広がりとともに存在感を増していくことだろう。

「WayPoint 104」
「WayPoint 104」
「WayPoint 50」
「WayPoint 50」
「WayPoint 204」
「WayPoint 204」
「CuePoint」
「CuePoint」
お問い合わせ先(株)朋栄 国内営業本部 TEL.03-3446-3121(代) ad@for-a.co.jp https://www.for-a.co.jp/

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