RIEDEL社

非圧縮で高品質＆遅延のないリモートプロダクションを実現

RIEDEL社は、インカムシステム/光伝送プラットフォームを開発・製造するドイツ企業。最先端技術を搭載したRIEDEL社製品は、世界的な大規模スポーツイベントや授賞式、そしてBBC、CNNなどの数多くの放送局で採用され、グローバルで高い実績を誇っています。RIEDELでは、主力製品の「ＭediorNet」シリーズの「MicroN」（マイクロン）と、無線インターカム「Bolero」を活用した、リモートプロダクションシステムを提案しています。

■ 「MicroN」 必要に応じて機能を拡充

「MicroN」は、映像・音声・データ・コミュニケーションの信号を非圧縮のまま光ファイバーを経由してリアルタイムで伝送する光伝送ネットワークルーター。1Uのコンパクトな筐体ながら12in12outの映像入出力が可能で、RIEDEL社の独自技術「TDM」により最大80Gbpsでの非圧縮映像の伝送が行えます。3G・H D・SD-SDI、HDM（I MediorNet Compactのみ）、IP伝送規格「SMPTE ST 2110」まで幅広く対応しているのも特徴です。なお、12G-SDI対応の新製品も近日公開します。
「MicroN」は強力な集積プロセッシングとルーティングにより、1台でオーディオエンベデッド＆ディエンベデッドやフレームシンクロナイザー機能を備え、機材や配線ケーブルを最大限削減したシステムが構築できます。また、マルチビューワーやカラーコレクションなどのプロセッサー機能、非圧縮IP伝送機能と、さまざまな機能を持ったアプリケーションをインストールすることで、必要に応じて機能拡充が図れます。愛知県・三重県・岐阜県の20市町でケーブルテレビ事業を運営する中部ケーブルネットワーク（株）（愛知・名古屋市、以下CCNet）は、2019年4月から「MicroN」を活用した各支局間ネットワークを構築しています。CCNetは、8カ所の局舎と本社を光ネットワーク化し、番組送出局からコミュニティチャンネルの番組を各局にそれぞれ伝送。2カ所の番組送出拠点に「MicroN」を3台設置し、本社と支局に1台ずつ設置することで冗長性を確保しています。
「MediorNet」では、リング型、スター型、メッシュ型など、さまざまなネットワークトポロジーが構築でき、かつ既存ネットワークに1台新規追加した場合もノードの自動認識が行われ、ネットワークの構築が即行えます。そのため、スタジアムなどの中継現場と局舎の映像伝送でも活用され、今後のリモートプロダクションにも期待されています。このような特性から、FTTH網を有するケーブルテレビ局で力を発揮するシステムだと思います。

■ 「Bolero」 用途に応じてパーティ設定

「Bolero」は、1.9GHz帯を使った無線デジタル・インターカム・システムで、グラミー賞、アカデミー賞、エミー賞など、世界的大イベントで活用されているグローバルブランドです。日本でも地上波テレビ局や制作会社で多く採用されています。
「Bolero」は6つのキーそれぞれを個別に設定可能で、ひとつは中継現場全体、ひとつはカメラマン限定、ひとつは局舎にいるディレクター専用など、用途に応じて設定できるため、円滑にコミュニケーションが行えます。また、「Bolero」の音声は非圧縮で、さらに多言語でも聞き取りやすいコーデックを採用。そのため、高音質かつ遅延がなく音声を届けることができます。リモートプロダクションの成功のカギは、良好なコミュニケーションが行えるかどうかが重要です。「Bolero」ならば高音質かつ低遅延、そして6つのキーアサインができ、距離を感じることもなく、スムースな伝達が行えます。なお、バッテリーはフル充電で17時間利用可能で、防水防塵シーリングなので野外でも気兼ねなく利用できます。
アンテナも半径150～200mの広範囲をカバーします。野球場であればバックネット裏とバックスクリーンに設置すればほぼ網羅できます（遮蔽物がある場合は別途設置の必要あり）。このように多機能ながら設定も簡単で、現場では電源を入れればすぐに使用できます。Webブラウザ上で各機の設定が行え、現場とスタッフ構成によって臨機応変にシステム変更が行えます。なお、ガンスイが提供するLYNX社の光ファイバー映像伝送システム「Yellobrik」と、「Bolero」の接続も可能です。中継先で「Yellobrik」と「Bolero」を使用し、局舎では「MicroN」を介してのリモートプロダクションが実現できます。