日本インターネットエクスチェンジ(株)

トラフィック解析サービス導入で低コストでトラフィックの可視化実現:浜松ケ-ブルテレビ(株)

ウィンディの愛称で親しまれる浜松ケ-ブルテレビ(株)(静岡・浜松市、中村捷二社長)は、ケーブルテレビとインターネットの格安セットサービスを最大の売りに、地元浜松市等を中心に精力的な事業を展開中だ。同社ではいま、サービス品質のさらなる向上かつ運用コストダウンを目標に、顧客先の接続先をよりシビアに分析するために日本インターネットエクスチェンジ(株)(東京・千代田区、山添亮介社長、以下JPIX)のトラフィック解析サービスを導入、当初から目標としていた効果を着々とあげている。

幾多の困難を経てトラフィック解析サービス導入を決断

“トラフィック解析サービス導入へ”、といっても話はそんなに簡単ではなかった。浜松ケーブルテレビ 技術部 技術グループ マネージャーの古橋広樹氏は、「当初はオンプレミスでのトラフィック解析機器を導入するつもりでした。ですが会社上層部はFlow解析だけにお金はかけられない、という意見でした」と振り返る。さらには「運用会社のBGPルーターとレイヤ3スイッチの接続点が責任分界点だったため、上位回線とルーター間へのトラフィック解析機器の接続は困難でした。仮に運用会社と話がついても、BGPルーターの10Gbpsポート自体に既に空きがなく物理的にも機器接続ができないという状況でした」と当時の苦境を語る。難しいのはそれだけではない。レイヤ3スイッチにミラーポートを作ってFlow解析を検討しトライアルしてはみたものの、BGPルーターから先のルート可視化はできないし、現在10Gbps対応の中、トラフィックがそこを超えたら購入したトラフィック解析機器が使えなくなってしまう。上層部からは「いっそ帯域制御装置がいい」と迫られ、話は次から次へと出てくる課題で堂々巡りになっていったのである。

「Flow」「Full Route」「SNMP」3つの情報だけ自動収集

そんなときJPIXの「トラフィック解析サービス」に巡り合った。都合のよいことに、このサービスは意外にシンプルで使いやすいものであった。仕組みはこうだ。まずユーザー側BGPルーターを経由するトラフィックに関するFlowはじめFullRoute、SNMP、3つの情報だけを自動収集し、あとはJPIXに設置した高性能トラフィック解析機器(NETSCOUT)で解析すれば良い。ユーザーはその解析結果を、いつでもブラウザで表示あるいはCSV/XMLでダウンロードするだけである。これで、どのルーターのどのポートから誰に向けてトラフィックが出され、それがどんなサービスかを簡単に知ることができた。
重要な課題のひとつコスト面はどうか。オンプレミス導入の場合、数百万円の初期コストがかかり固定資産の計上が必要となる。しかも、その設定も簡単ではない。だがJPIXのトラフィック解析サービスを導入すれば、初期コストは十数万円で済み、ルーター1台あたりの月額も十万円以下。設定も少しの変更で済むのである。「オンプレミスの場合の物理的なポート不足も増設も考える必要がなく、専用VLAN追加のみで、監視の環境を構築できたのは大きいですね」と古橋氏は絶賛する。

古橋広樹氏 浜松ケーブルテレビ(株) 技術部 技術グループ マネージャー
古橋広樹氏 浜松ケーブルテレビ(株) 技術部 技術グループ マネージャー
ユーザーサービス向上の手ごたえをつかめた

古橋氏に実際のトラフィック解析利用の場面を聞いた。「まずは家庭等お客様のトラフィックが、どのあたりで集中しているのかを見たいですね。また当社にはJPIXおよびトランジット両方のトラフィックがあるので、トランジット分のうちでもJPIXで賄える部分はないのか、も見たいと思います」。特にトランジットの2社からの解析内容で、相手AS(Autonomous System)番号が見える点は重宝するという。そのため今後はピア接続交渉時にはより的確に相手をみつけられることが期待される。
一方JPIXは、トラフィックで悩む顧客向けに、まずはトラフィック解析サービスを使ってみて現状の把握を薦める。納得できればそのまま使ってもいいし、オンプレミスの方がよければそれでもいい、と極めて寛大だ。
この顧客重視のJPIXの対応が好評で、古橋氏もまだ段階的な運用ではあるものの「JPIXのトラフィック解析サービスはWEB GUIがわかりやすく直感的に利用できるし、わからなくなったら何時でも営業や技術の担当者に気軽に相談できます」と評価する。「今後GUIが日本語化されると、たとえば経営層など担当者以外でも気軽に利用でき、よりトラフィック監視の重要性について理解が深まっていくのではないでしょうか」と、大きな期待を寄せている。


トラフィック増大のニーズに応え海外IX接続サービスを増強:(株)コミュニティネットワークセンター

(株)コミュニティネットワークセンター(愛知・名古屋市、原年幸社長、以下CNCI)は愛知、岐阜、三重を中心とした地元ケーブルテレビテレビ11社をグループ会社に擁し、パワフルなサービスを展開中だ。昨今、国内・国外の動画やオンラインゲームのコンテンツ提供にニーズが高まり、CNCIでは、JPIXの海外IX接続サービスを活用し、グローバルに接続品質を強化している。

高まる動画視聴やオンラインゲームへのニーズ

CNCIでは、こうしたエンドユーザのニーズが動画やオンラインゲームに集中しつつあり、このニーズに応えうる豊富なコンテンツは、現状では海外に見出すべきとされ、必然的に海外IXとの接続が不可欠であり、米国に加えてロンドンや韓国との接続に着手した。
CNCIのネットワークは、名古屋を中核に、東京および大阪にピアリング拠点をもつ。名古屋・東京間の伝送速度は100Gbps×nで、名古屋・大阪間は100Gbpsが複数本となっている。また、高まる動画視聴やオンラインゲームへのニーズに応えるためにJPIX経由でロンドンとの間は3Gbps、最近接続した韓国との間は1Gbpsで接続した。

海外接続に伴う諸課題をクリアしたい

CNCIが海外接続に取り組むに際しては、諸課題をクリアする必要があった。CNCI技術本部通信グループ大日方周太氏は「課題のひとつはコストです。これまで海外から流れてくるトラフィックの多くは、トランジットが大きな比重を占めていました。これは従量課金のため、当然使った分コストはかかります。しかも、動画等のコンテンツ配信のような広帯域を必要としてしまう場合などは、なおさらです」と切実な現状を語る。
もうひとつの課題は、品質だ。実はトランジットの場合、ユーザーが通信ルートをなかなか掌握できない。これにより、遅延等の通信品質にばらつきがでてしまいがちだ。また、運用面でも、諸手続き、たとえば支払い時の通貨をはじめ手続きに伴う相手国言語のほか、頭の痛いことが結構あるという。

大日方周太氏(株)コミュニティネットワークセンター 技術本部通信グループ
大日方周太氏(株)コミュニティネットワークセンター 技術本部通信グループ
JPIXによる海外接続でコスト対策ほか数々の効果

こうした諸課題をクリアするため、CNCIはJPIXを選択した。この背景には、15年以上にも及ぶJPIXとの長い付き合いがあることはもちろん、それに伴う安心感を見逃せない。
具体的な効果としては、第一の課題であるコスト面だ。一般的には、海外接続のためには、まずは国際回線を所有する事業者と接続し、それから相手国への接続となる。CNCIには、実はJPIX以外にいくつか他IXとの接続もあるが、それらも含めても、名古屋での接続点を擁するのはJPIXのみだ。この点が大きい。これにより、ロンドンと名古屋での直結が実現できることになり、その結果、名古屋と東京間の接続コストが発生しないのである。また大日方氏は、「たとえば1Gbpsで他社と契約していて1Gbpsを超過した場合、次は2Gbpsの契約に切り替えたいが、現実には1Gbpsの上位がいきなり10Gbps契約になりコスト高になってしまいます。しかし、JPIXはその点をサポートしてくれる3Gbpsや5Gbpsという契約が可能ですから、ユーザーとしてはうれしいですね」と、安堵する。
品質面では、JPIXの場合、通信ルートが明確で遅延等の不安がない。またトラブル時の原因を知りたいときでも、トランジットでは、それらを問い合わせても先方からの明確な原因の回答を得られることが出来ないことが多く、ほとんど原因を知りえないままでフラストレーションの原因にもなっていた。しかしJPIXの場合、「問い合わせに対して必ず回答があるほか、運用面でも交渉や契約、保守などが一括調達であり、支払いも円建て、かつ手続きの交渉事でも日本語ですむ」といった、ワンストップ対応であることが大きなメリットとして得られたという。
大日方氏はこれまでの実体験から、海外接続の経験はないが取り組みを目指すユーザーには、IXの利用を薦める。「海外接続のハードルは決して低くはありません。まずスタート時の効果をみるにはIXの利用がもってこいです。とくにJPIXは、すべてを丸投げ的にまかせられますから、ハードルを気にせずともすみます」。CNCIでは、ロンドンとは接続済みであるが、今後も海外IXへの接続を視野に入れている。

お問い合わせ先日本インターネットエクスチェンジ(株) 営業部 sales@jpix.ad.jp https://www.jpix.ad.jp/

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