No.241 沖縄に見る日本のリブランディング

2022年6月号掲載

南部に沖縄版ホノルルを作る!

2022年は、沖縄本土復帰50周年。
沖縄のリブランディングを考えることは、日本全体をリブランディンクするのと同じことである。
沖縄本島とオアフ島を比較してみる。大きさも人口もほぼ同じなのに経済格差は7倍。その差は、もちろん産業の差なのだが、大きく欠けているのは戦略の欠如なのである。
田中角栄が土建屋の経験から日本列島を改造したように、沖縄を地政学的に考える必要がある。
ハワイには、戦略があった。まずホノルルの徹底的な観光開発。花崗岩の黒いビーチに大量の白い砂を入れ、グローバルなホテルを誘致し、ラグジュアリーブランドを揃えた。
沖縄を一気に変革するためにはアフターコロナ時代にあった青図(完成予想図)がいる。全てのリゾート地は、都市とビーチが一体になっている。沖縄の中心は那覇だが、近隣にビーチはない。メイン通りである国際通りに一流のホテルもない。ここが最大のネックなのだ。
沖縄の北部である名護市にザ・リッツ・カールトン沖縄、恩納村にハレクラニ沖縄などの高級ホテルがあるが、空港から1.5時間と遠く、一旦ホテルに入ってしまうと敷地内と近所の海しか楽しめない。観光客は、敷地内に囲い込まれてしまい沖縄の本当の自然を体験することができない。
それらを解決するには、新しい“中心”が必要だ。
①空港から近い
②ビーチが近い
③ホテルが誘致できる土地がある
という必須条件を満たすのは、わたしがリゾート開発している南城市かお隣の糸満市など南部の開発しかないのではないか。
“やんばる”など北部は、空港から遠い上にユネスコ自然保護の指定がされており、開発は難しい。となると、地のりや地形から考えて、南部しかない。土地代も安い。ここに沖縄版ホノルルを作るのだ。

今よりも数倍豊かな経済になる

沖縄経済で最も成長しているのが観光業である。2009年から2019年(コロナ以前)までの10年間で観光業は倍に成長した。コロナによるステイホームでオンライン社会が到来。観光をダメにしたが、一方では沖縄から仕事ができる環境(長期滞在型ワーケーション)も整った。
短期的なバケーションと長期滞在型ワーケーションの両方に対応したハイブリット・リゾートを作ったらどうか。
そして、エンタメ産業もアクティブである。吉本興業がアートフェスや映画祭などに力を入れているし、DMMがハイテクを盛り込んだ水族館を開いた。安室奈美恵、SPEED 、BEGIN、Awich(エイウィッチ)など素晴らしいミュージシャンも多数輩出している。
沖縄は、ラスベガスやマカオのようなエンタメ都市としての可能性もある。そのためには、徹底的に空港の開放をする必要がある。東京からだけではなく、香港、台湾、ソウル、マニラからの観光客をとれるようなエアライン誘致を行うことが先に立つ。超円安も後押しになる。
沖縄の持つ多様性(ウチナーンチュが広げたハワイ、ブラジル人脈)を駆使して、マルチカルチャーな世界を作ることができれば、シルク・ド・ソレイユなどのショーも開催できる。
そして、世界のリゾートがそうであるように、中心部に観光都市ができれば、郊外には、リビエラ(フランスからイタリアの地中海沿岸のリゾート地)やパームスプリングス(ロサンゼルス郊外)のようなリタイヤした人がのんびり暮らせる場所もできてくる。こういった好循環を作り出せれば、沖縄は今より数倍経済的にも豊かになる。
前述の通り、これは沖縄改造計画ではない。日本全体のリブランディングに必要なコンセプトではないだろうか。


福田 淳 FUKUDA ATSUSHI
ブランド・コンサルタント
http://tabloid-007.com @fukudadesuga

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