No.240 ニッポンの新しいブランディングキーは20世紀モデルにあり!?

2022年5月号掲載

ラーメン一杯1,000円がアメリカだと3,000円超

アメリカからの視点で、日米の物価格差について考えてみた。
円安が止まらない。4月25日午前の東京市場では1ドル128円60銭台となり、1ドル130円に迫るなど、国内でも大きな話題にもなっている。100円だった時を考えると世界(ドル)から見たら日本の経済価値は30%落ちているのだ。
1990年から30年間、日本はモノの値段が上がっていない。そして給与も上がらない。一方のアメリカは、30年間で2.5倍くらいモノが値上がりして、給与も連動して上がっている。
それぞれの国が独立した消費を完結して行なっているなら、別にこの格差は問題にしなくて良いが、交易がある限り、いろんな問題が起きる。
ラーメンの値段で比較するとわかりやすい。日本で一杯1,000円のものが、ロサンゼルスでは25ドル。為替126円で掛けると、3,150円。3倍以上する。でもラーメン好きのアメリカ人が東京で最高のラーメン食べたら1/3で超嬉しいわけだ!
むかし日本の景気が良かった時に、タイや上海にショッピングに行っていた感覚と同じなのだ。今の日本は、高品質な商品、部品、観光旅行…何をとっても海外から言えば魅力でしかない。
コロナ前にインバウンド施策でやたらと京都にホテルが建ったが、コロナの閉鎖的な水際政策により、誰も来なくなった。その結果、いまは一泊2万円のホテルも3,000~5,000円で泊まれる。ロサンゼルスで一泊300ドル(37,800円)だとビジネスホテルがせいぜいなところである。

国内生産&輸出強化 アジア諸国にロケ誘致

わたしのようにアメリカで商売をしていると、ドルの視点で日本を見ることができる。日本は、資源を輸入に頼らざるを得ないものも多いが、安い人件費と高い技術力を持った国なので、国内で作られた自動車、鉄鋼、部品の輸出強化。ブランドのあるアパレルは高値販売でよろしい。もちろん今後の観光需要の増加にも力を入れなければならない。沖縄や北海道など国内不動産の海外向け売値は倍以上にすべき。エンタメも同様、カナダみたいにロケ誘致をアジア諸国(中国のコロナの早期収拾に期待!)に提案していくべきだ。
日本人が海外に出向いてもコスト高なので、なんでもかんでも国内で作って海外に高値で売る、を基本にすれは良いのではないか。つまり、20世紀モデル(1960~80年の日本を思い出す)が今こそ必要なのだ。
海外旅行はしばらくせんでよろしい。

誰も助けてくれない円安 自国の戦略をきちんと持って!

追伸:西側諸国が結束してロシアを封じ込めても、ルーブルの下落は一瞬で、すでにウクライナ紛争前の水準に戻っている。産油国(サウジアラビアまで!)がロシアと組んで(OPECプラス)いるからだ。一国もロシア制裁に加わってない。
理由は、アメリカ(バイデン)を嫌っているからだ。アメリカの都合で石油を減産させて価値を落としたり、都合が良い時だけ増産しろというからだ。
脱炭素は、中東とロシアの富を失わせる。アメリカはシェールガスがあるから大丈夫、損を食ってるのは資源のない日本だけという状況だ。だから、誰もこの円安を助けてくれない。もうアメリカ国債を大量に売ってみたら? あるいはビル・ゲイツが進めている新しい原発の研究を進めるとか。
日本は、もっと自国の戦略、いや己をちゃんと持ってやってよ!


福田 淳 FUKUDA ATSUSHI
ブランド・コンサルタント
http://tabloid-007.com @fukudadesuga

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