No.234 政治の話は特殊な話ではない

2021年11月号掲載

タブー視される政治の話 日本国民の政治への感受性

この原稿を書いている10月28日は衆議院選挙投票日の3日前である。この記事が掲載される頃には選挙は終了しているが、もっと長い目で見た話なので書かせてもらう。
今回の投票率を高めるために芸能人が出た啓蒙広告が話題になっているが、芸能界ほど政治を避けている業界もない。タレントが政治的な発言をすると事務所はタレントに注意するし、そもそも若いタレントには政治の話を絶対するなと釘を刺しているところが多いのが現実だ。
下記は、先日聞いた話。若者が転職する際に、日本の政治家事務所で勤務している実績があったため、日本の企業はどこもとってくれなくて、マイクロソフトに入社したとのこと。
日本で政治と関わっていることが何かのタブーになっているとしたら、それこそ大問題だ。
今週末は総選挙なので、政治の話をしたい。政策や政党の話ではなく、政治への感受性の話。
まずは、先日のドイツ総選挙結果がすごく面白い。メルケル首相が率いる中道右派「キリスト教民主・社会同盟」(CDU・CSU)への投票率が24.1%(前回32.9%)と惨敗した。といっても、もともと過半数なく、2位の中道左派「ドイツ社会民主党」(SPD)(25.7%(同20.5%))と連立を組んでいた。2位のSPDが1位になって、16年ぶりの第一党になったけれど、これまた過半数には程遠い。
過半数を取らないと首相を出せない。でも、また1位と2位で連立組めばいいじゃん、とならない。両者を足しても50%に満たないからだ。さらに重要なのは、3位の環境政党「緑の党」(14.8%(同8.9%))と、4位の産業界寄り「自由民主党」(11.5%(同10.7%))の支持者の44%が25歳以下だったことだ!!(驚)
だから、今までのように1位&2位連合を組むと、昭和っぽくて国民に相手にされないと分かっている。そうすると、1位か2位の政党のどちらかが「緑の党」と「自由民主党」と3党連立を組まないと与党になれない。
この2つの組み合わせはどちらになっても、環境寄りのリベラルになる。世界的に右傾化が進んでいたが、ドイツでリベラルな与党ができるのは面白い。
一党で支配できないような多様な政策、政党が日本にも存在すれば、政治は大きく変わるだろう。

選挙後もメディアは政治を取り上げたほうがいい

日本の野党が言うような二大政党って実現可能なのか? そもそも必要なのかな?
むしろ、自民党が派閥ではなく政策ごとに分党した方が、国民には選択肢が増えるのだと思う。
原発全廃と言っていた総裁候補が、過去の権力者への忖度で自説を曲げて落選したことを教訓に、もっとみんなが政策論争し、政策派閥を作って欲しい。
久しぶりの自民党総裁選で政策論争がメディアに出たのは良かった。選挙が終わっても継続してメディアは政治を取り上げた方がいい。
そうでないと、みんながこの国の方向性を堂々と語れない社会になってしまう。
みんな、選挙に行こうね。

◆参考記事
【ドイツ】アンダー40が躍進。「若返り国会」が政治を変える
https://newspicks.com/news/6239840

福田 淳 FUKUDA ATSUSHI
ブランド・コンサルタント
http://tabloid-007.com @fukudadesuga

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