No.231 成熟した民主主義を求めて

2021年8月号掲載

個人の自己責任で感染を防ぐよう要請した英国

“民主主義”をググると「人民が主権を持ち、自らの手で、自らのために政治を行う立場。人民が自らの自由と平等を保障する生き方」とある。
「Democracy Index 2018」(民主主義指数)によれば、日本の民主主義の世界ランキングは年々下降している。メディアの多様性がないのが主な要因と考えられているが、わたしは人々の自立性にも要因があると思っている(※「Democracy Index2021」によると、2020年の日本は、前年から3つ上げて21位だった)。
イギリスが、野党から批判はあるものの7月19日から「コロナは収束していないが、新型コロナウイルス対策として導入されているマスク着用義務やソーシャル・ディスタンシングなどの規制の大半を解除する」と発表した。政府の命令ではなく、個人の自己責任により感染を防ぐよう要請したのだ。
こんなことを日本の首相が要請したら、マスコミや人々からコテンパンに非難されるだろう。以前、三宅島が噴火したとき、被害にあった島民のテレビインタビューを見ていたら「噴火したのは、石原都知事が悪い!」と本気で言っていた。驚いた。それくらい日本人は、お上に頼る自立性のない国民性なのだろうか…。

ファクトベースで理解できないのは未成熟の証?

イギリスの報道記事をみていると、分かりやすい。

「Shift from‘ government diktat topersonal responsibility’」(政府からの絶対的命令から個人の責任へ)

コロナはすぐに収まるものでもないけれど、政府としてはワクチンを2回接種していれば、あとは個人が危険を判断し経済活動をしてください、と。これを無責任と考えるかどうかは、個人の民度にかかわっているのだと思う。個人の責任を個人の自由と歪曲すれば、それは社会不安を招くし、政府の再度の介入もあるだろう。政府が人々を信じているか?ということではなく、“個人が社会を作っている”と政府が考えるかどうかなのだと思う。だから、個人の責任は、自分たちが考えるより大きいのだろう。

なので、我々は積極的にワクチンを打ち、集団免疫を獲得し、以前の社会に戻せるよう頑張るべきだと思う。“誰かがワクチンを打つだろうから、そのうち収まる”という考えではコロナ禍からは脱却できない。
また、デマや噂などを信じ、ファクトベースで物事を理解できないというのも未成熟な文明の特徴だ。あるアメリカの調査で、デマを信じる人たちの属性を調べたらこんな感じだった。「低年齢、低収入、人口密度の低いところに住んでいる人」
多角的に物事を捉え、自立した考えを持つことでしか成熟した民主主義を手に入れることができないだろう。

◆参考文献
英イングランド、マスク義務など解除へ 自己責任のコロナ対策訴え
http://a.msn.com/01/ja-jp/AALNPZf?ocid=st

福田淳のブログ「政治システムの実験としての民主主義を考えてみた」(2020/11/2)
http://spdy.jp/news/s7655/


福田 淳 FUKUDA ATSUSHI
ブランド・コンサルタント
http://tabloid-007.com @fukudadesuga

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