No.224 GoToより地産地消がうみだす経済効果

2021年1月号掲載

コロナの経済損失以前に国力が低下している日本

GoToトラベルが、2020年12月28日から2021年1月11日までの間、全国で一時停止となるようだ。
政府は、「コロナ禍でも経済をまわさないと~」と言うから、“国内旅行=景気下支え!”みたいに思い込まされているけど本当にそうなのか?
その経済効果を考えてみた。
GoToトラベル事業がそのまま実施される場合と一時停止する場合と比較して、月間平均で1,809億円、年換算で2兆1,708億円の消費が減少することになる。これはGDPの0.39%に相当する(野村総合研究所「GOTOトラベル見直しとその経済効果の試算」※1)。
この規模がどんなものかというと、コロナの経済損失全体は、GDP比で-6.1%(30兆円)になると推定されている。(経済産業省「新型コロナウイルスの影響を踏まえた経済産業政策の在り方について」(2020年6月17日発表 ※2)
政府の年初の試算では経済成長率(GDP)1.4%増加を見込んでいたので、7.5%分のGDPが消失することになる(日本経済新聞 7月30日報道より ※3)。
GoTo損失0.39%は、全体の5.2%に過ぎない。
つまり、コロナによる経済損失以前に国力の低下と国債の発行残(国の借金)の増加は進んでおり、日本株式会社は、もっと抜本的な問題に手をつけないと潰れてしまう。

文明を発展させる方法はまだまだありそう

では何をすべきか?
短期的には、日本のGDPの構成要素から考えて、天然資源も何もないから、GoTo含め個人消費が大事ということは変わらない。特に外食など欧米と比較して少ない(※4)。旅行より飲食の拡大余地がある。ここは国の借金が増えても支えないといけない。レストランなどへの三密対策の設備投資の促進と経営の補助金を手厚くすべし。
旅行で遠くに行くより、近所の飲食の方がきちんとコロナをコントロールできて経済効果も上がる。例えば、外食チェーンの入り口にPCR検査キットを常備し、陰性ならマスクなしで食事を楽しめるような世界一安全な場所を作れば良い。食後にワクチンを打てるサービスもあれば、なお良し!
もちろん、集団免疫ができたら旅行もしよう!
中期的には、国のデジタルトランスフォーメーション(DX)が急務。エストニアやスウェーデンを見習って、行政の効率化を徹底する(※5)。
民間企業のDX化ももっと進めば、都市部に集中していたオフィスの地方分散化により、人の分散も付随し、地方も活性化する。狭い国土だが、豊かな自然がある。山がある。川がある。海がある。石油など産業としての天然資源はなくとも、この豊富な自然による内需拡大はもっと見込める。
移動しなくとも、北海道で水揚げされたばかりの蟹を全国どこにいてもインターネットで購入し、数時間後にはスーパーロジスティックスによって配送されることだって可能になってくる(※6)。
前述の短期的な飲食施策と中期的なD X化がうまく進むと、新しい地産地消マーケットが生まれるのだ。
地産地消とは、地元で生産されたものを地元で消費することをいう。消費者にとっては、身近な場所から、新鮮でより安価な農産物を得ることができる。
ウォルマートがアマゾンに勝っているのは、ここを理解しているからなのである(※7)。
長期的には、少子高齢化の“少子”部分に、もっともっと施策が必要だ。若者が増えない国に未来はない。
政府が進めようとしているAIマッチングもいいが、AIを使った体外受精の活性化支援や卵子凍結のコスト低減策など、政府は最新の科学に目を向けた思い切った施策をとらなければならない(※8)。
…という具合に、冷静に考えてみると、まだまだ人類が文明を発達させる方法はありそうだ。


福田 淳 FUKUDA ATSUSHI
ブランド・コンサルタント
http://tabloid-007.com @fukudadesuga

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