No.220 サブスクがギャラの価値をあげる時代

2020年9月号掲載

アダム・サンドラー 75%がNetflixからの収入

動画配信サービス「Netflix」は、ハリウッドスターへのギャラ支払いをユーザーの延べ視聴時間をベースにしている。
アダム・サンドラー出演作品は、累計20億時間以上見られている。つまり、ハリウッドのように一本一本の映画の興行収入(そもそもNetflix作品は映画館で上映されない)で決めるのではなく、過去の作品も含めたライブラリー価値で決めている。
ハリウッドは旬を評価するシステムなので、数年ヒットがないだけでギャラは下がるが、「Netflix」は過去に実績があると評価は安定しづける。
その結果、アダム・サンドラーの昨年の年収41億円のうち75%にあたる33億円が「Netflix」から支払われている。逆にいえば、ハリウッドスタジオからの評価は25%しかない訳だ!
https://forbesjapan.com/articles/detail/36425 ※フォーブスより)

一発屋の時代から安定した評価の時代に

映画に限らず、時代はサブスクになり、ミュージシャンも一曲を当てるのではなく、全体の聴かれる量で決まる。つまり、たくさん聴かれるためにはたくさんの過去を持つものが有利になる。こうしたビジネスモデルの変化によって、一発屋の時代から安定した評価の時代になってくる。つまり、よりブランディングが必要になってくるのだ。
ただ、CD販売に対するミュージシャンの手取りが150円くらいだったのが、サブスクだと0.15円くらいなので、1,000倍聞かれないといけない。ただし、これは一曲あたりの比較なので、聴き放題で消費量が飛躍的に増えているので、ミュージシャンはもちろん、ヒット曲も必要なのだが、楽曲が多いとより収入が増えることになる。
https://www.m-on-music.jp/0000002706/ ※M-ON! MUSICより)
音楽業界は、他のメディアに比べてデジタル市場の形成が早かった。そういう過渡期のミュージシャン事情がよくわかる下記の映画は必見だ。Netflixの『はじまりのうた』(原題:Begin Again、出演:キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ)
https://www.netflix.com/jp/title/70307852
映画で新人歌手が、ついにメジャーレーベルと契約にこぎつけるのだが、その途端にパブリシストだとか、マネージャーや、アカウンタントなど多数のスタッフを紹介され、興奮しながらも本当にこれで良いのか悩む…。そして、最終的に、派手さよりも手取りの計算をして、インディーズでの配信を選ぶ、という勝手的な内容だった。

著作物が多いと収益UP 単品売りはアートのみ?

読書というメディア分野も「Kindle読み放題」が主流になるだろう。高城剛さんは、紙の本は大手出版社で出しているが、デジタルは出版社を通さず、自分でAmazonと直接契約している。
紙の印税は10%程度に過ぎないが、デジタルは70%の収益がある。紙の出版はPR目的で実利はデジタルからの収入というビジネス構造なのかもしれない。
しかも、「Kindle読み放題」は、読まれたページ総数に印税が支払われるので、これまた過去の著作が多いほど、ロングテイルで収益になる。
ちなみに、こんな計算式。
毎月発表される基金(35億円くらい)×出版した本の既読ページ数÷Kindle全体の既読ページ数=ロイヤリティ
https://www.itmedia.co.jp/ebook/articles/1410/29/news092.html※IT Mediaより)
娯楽の中で一つひとつ売れるのはアートくらいしかないのではないだろうか。


福田 淳 FUKUDA ATSUSHI
ブランド・コンサルタント
http://tabloid-007.com @fukudadesuga

おすすめ