No.219 「デジタル・ノマド」(多拠点生活)という生き方

2020年8月号掲載

労働時間ではなく成果を重視する運営に

コロナ禍にあって、4月2日から6月2日まで2カ月間を沖縄で過ごし、リモートで会社経営できることがわかった。
その間に東京のオフィスを無くし、スタッフには労働時間ではなく成果を重視する姿勢を明確にした。毎週月曜日のZoom会議が定例となり、それ以外は、何か用事があったら電話で話す。手間がかかるのでメールはできるだけ使わない。短いやりとりはLINEなどのメッセンジャーを活用。でもやはり“いますぐ解決”には、電話が最高に便利なツールだと思う。
そもそも新型コロナウイルスの感染拡大前から年の半分は東京にいなかった。東京以外にもロサンゼルス、珠海・横琴新区、エストニアに会社があるので、曜日や時間や地域に囚われず仕事はしてきた。沖縄生活は海外出張が長引いただけ、という感覚だ。
コロナ禍の2カ月で、沖縄で自然を楽しみながら、働き方改革、出版社立ち上げ、オンライン・ライブ事業スタートに加え、自著の執筆もできた。
その背景には、やたら優秀なスタッフがいる。そのおかげで、なにもかもがスムースに進むのだ。みんなに感謝だねぇ!

自然溢れる環境下で5Gを拡げ“街ごとエアビー”みたいな計画

新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってリモートワークが広がり、住むという概念が一変した。全国を転々としながら暮らす「デジタル・ノマド」(多拠点生活)という生き方が現実味を帯びてきたのだ。デジタル・ノマドもD X(デジタル・トランスフォーメーション)の一環だと思う。
こういう生活は、ICT(Informationand Communication Technology:情報通信技術)の基盤なしには成り立たない。
そもそも都会の機能とは多様なヒトやモノが集まることで、高度に成熟したコミュニティが作られるところにある。ポストコロナでは、5G回線を追い風に、都会じゃなくてもバーチャルに都会を作り出すことができるようになる。
その上で都会離れが進み、移動慣れした人が増える。これは地方のシャッター街が活性化するということではない。強い通信網の場所と快適な暮らし(すぐに生活できる家具付きの家、豊かな自然など)が提供されていれば、仕事をする場所、生活する場所はどこでも良いということなのだ。
デジタル・ノマドを快適にするための星野リゾートの取り組みや、全国に広がる空き家を月額4万円の住み放題(サブスク)に変えて提供するADDress(アドレス社)などは、ポストコロナの有力企業といえる。
これからの地方は中途半端に東京を真似しないで、以前のような自然を復活させ、5G環境の“ 街ごとエアビー”みたいな計画を進めるべきじゃないかな。以前、オーストリアの第3の都市リンツで、普通の住宅街に池を作って、みんなが楽しんでいる様子を見て、素敵だなあと思っていた。こんなことが日本のあちこちで起きることを期待している。


福田 淳 FUKUDA ATSUSHI
ブランド・コンサルタント
http://tabloid-007.com @fukudadesuga

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